男性の皆さん!前立腺ってなんのかご存知でしょうか?
前立腺は、男性特有の臓器であり、近年その病気の増加が問題視されています。特に、前立腺がんと前立腺肥大症は、高齢男性にとって深刻な問題です。
私も50代なので気になってくるがんの一種になります。
前立腺とは?
前立腺は、骨盤の底部分にあるクルミほどの大きさの臓器です。その主な役割は、精子液の成分である前立腺液を生成することです。
前立腺液は、精子の運動を助け、卵子との出会いを促進する重要な役割を担っています。
また、前立腺は尿道を取り囲んでおり、排尿機能にも深く関わっています。尿道括約筋という筋肉と連携して、尿を貯めたり排泄したりする役割を担っています。
さらに、前立腺は勃起に関わる神経も通っているため、性機能にも影響を与えます。
前立腺がんと前立腺肥大症
前立腺がんは、男性がかかる最も頻度の高いがんです。
近年、その罹患数は急増しており、高齢化が大きな要因と考えられています。前立腺がんは進行が遅いため、早期発見・早期治療が重要です。
前立腺がん
前立腺がんは、男性で最も多く見られるがんです。通常、60 歳以上の男性に発症します。前立腺がんの症状には、次のようなものがあります。
- 排尿困難
- 頻尿
- 排尿時の痛み
- 血尿
- 射精時の痛み
- 勃起障害
前立腺がんは、PSA 検査や直腸診などの検査で検出できます。前立腺がんの治療には、手術、放射線療法、ホルモン療法、化学療法などがあります。
前立腺肥大症
前立腺肥大症は、前立腺が肥大する状態です。これは、50 歳以上の男性に最もよく見られる状態です。前立腺肥大症の症状には、次のようなものがあります。
- 排尿困難
- 頻尿
- 夜尿
- 尿意切迫
- 排尿後の残尿感
前立腺肥大症は、生活習慣の改善、薬物療法、手術などで治療できます。
前立腺がんと前立腺肥大症の共通点と相違点
- 共通点
- 高齢男性に多い
- 排尿障害などの症状が現れる
- 相違点
- 前立腺がんは悪性腫瘍、前立腺肥大症は良性疾患
- 前立腺がんは進行すると転移する可能性がある
- 前立腺肥大症は放置しても命に関わることはない
前立腺がんの治療
前立腺がんの治療法は、進行度や患者さんの年齢、全身状態などを考慮して選択されます。
主な治療法は以下の通りです。
- 手術: 前立腺を摘出する根治術が基本です。
- 放射線治療: 高エネルギーの放射線を照射してがん細胞を死滅させます。
- ホルモン療法: 男性ホルモンであるテストステロンの働きを抑えます。
- 化学療法: 抗がん剤を投与してがん細胞を死滅させます。
近年は、ロボット支援手術や低侵襲手術など、患者さんの負担を軽減する治療法も開発されています。
前立腺肥大症の治療
前立腺肥大症の治療法は、症状の程度や患者さんの希望によって選択されます。主な治療法は以下の通りです。
1. 生活習慣の改善
軽度から中等度の症状の場合は、生活習慣の改善が第一選択肢となります。具体的には、以下の点に注意しましょう。
- 排尿習慣の改善: こまめに排尿する、排尿後に残尿感がないか確認する
- 食生活の改善: 塩分や脂肪分の多い食事を控え、野菜や果物を多く摂取する
- 適度な運動: ウォーキングや水泳などの有酸素運動を週に数回行う
- 禁煙: 喫煙は症状を悪化させる可能性がある
- 減量: 肥満は症状を悪化させる可能性がある
2. 薬物療法
生活習慣の改善だけでは症状が改善されない場合は、薬物療法が検討されます。主な薬物療法は以下の通りです。
- α遮断薬: 尿道の筋肉を弛緩させ、尿の通りを良くする薬です。
- 代表的な薬剤:タムスロシン(ハルナール)、シルナフィリン(シルナジン)
- 5α還元酵素阻害薬: 前立腺の成長を抑制する薬です。
- 代表的な薬剤:フィナステリド(プロペシア)、デュタステリド(アボルブ)
- ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬: 勃起機能改善薬として知られる薬ですが、前立腺肥大症の症状改善にも効果があります。
- 代表的な薬剤:シルデナフィル(バイアグラ)、タダラフィル(シアリス)、バルタナフィル(レビトラ)
3. 手術療法
薬物療法で症状が改善されない重症例や、尿閉などの合併症をきたした場合は、手術療法が検討されます。主な手術療法は以下の通りです。
- 経尿道前立腺切除術(TURP): 尿道から内視鏡を挿入し、レーザーや電気メスを使って肥大した前立腺組織を切除する方法です。
- 経皮蒸散前立腺切除術(TULP): 超音波エネルギーを使って前立腺組織を蒸散する方法です。
- ロボット支援前立腺摘除術: ロボットアームを使って前立腺を摘除する方法です。
4. その他の治療法
近年は、薬物療法や手術療法以外にも、以下のような新しい治療法が開発されています。
- レーザー治療: レーザーを使って前立腺組織を切除する方法です。
- 高周波治療: 高周波エネルギーを使って前立腺組織を切除する方法です。
- 尿道ステント留置術: 尿道にステントを挿入して尿の通りを確保する方法です。
5. 治療法を選ぶ際のポイント
前立腺肥大症の治療法を選ぶ際には、以下の点を考慮する必要があります。
- 症状の程度: 軽度から中等度の症状であれば、生活習慣の改善や薬物療法で十分改善できる場合があります。
- 年齢: 高齢者であれば、手術療法のリスクが高くなるため、慎重に検討する必要があります。
- 全身状態: 糖尿病や心臓病などの合併症がある場合は、手術療法が適さない場合があります。
- 患者さんの希望: 手術療法には抵抗がある場合もあるため、患者さんの希望を尊重する必要があります。
6. 治療後の生活
前立腺肥大症の治療後は、以下の点に注意して生活することが大切です。
- 排尿習慣の改善: こまめに排尿する、排尿後に残尿感がないか確認する
- 食生活の改善: 塩分や脂肪分の多い食事を控え、野菜や果物を多く摂取する
- 適度な運動: ウォーキングや水泳などの有酸素運動を週に数回行う
- 定期的な検診: 定期的に検診を受け、症状の再発がないか確認する
前立腺の健康を守るために
前立腺の健康を維持する方法
前立腺の健康を維持するには、次のことが重要です。
- 定期的な検診: 50 歳以上の男性は、PSA 検査と直腸診を定期的に受ける必要があります。
- 健康的な食事を摂る: 果物、野菜、全粒穀物が豊富な食事を摂り、加工食品、飽和脂肪、コレステロールを制限します。
- 定期的に運動する: 週に少なくとも 150 分間の中等度の運動を目指しましょう。
- 健康的な体重を維持する: 肥満は前立腺がんのリスクを高める可能性があります。
- 禁煙: 喫煙は前立腺がんのリスクを高める可能性があります。
- 節度ある飲酒: 過度の飲酒は前立腺がんのリスクを高める可能性があります。
まとめ
前立腺は、高齢男性にとって重要な臓器です。前立腺がんと前立腺肥大症は、早期発見・早期治療が重要です。
日頃から自分の体調に気を配り、定期的な検診を受け、適切な治療を受けるようにしましょう。