前回アメリカ以外の国で中国に関して調べてまとめてみました。
その結果、中国は世界トップのがん大国であったことがわかりました。
その続きの私の興味本位で現在2024年時点で世界で最も人口の多い「インド」について調べてみました。
↓中国のがん事情についてです。
中国でのがんってどうなんだろう? | ガン情報.com
かつては世界一の人口を誇っていた「中国」日本の隣の国ということもあり、気になる人も人もいるのではないでしょうか。このブログでは、日本以外だとアメリカを紹介するこ…
目次
インドのがんの状況について
インドは、世界で1番人口が多い国(2024年)であり、がん患者数も世界で2番目に多いと推定されています。2020年には、約192万人が新たに診断され、約106万人が亡くなりました。
インドのがんの特徴は以下の通りです。
1-1. 高い罹患率
- 男性では肺がん、口唇癌、食道癌が、女性では乳がん、子宮頸癌、卵巣癌が罹患率と死亡率の上位を占めています。
- 特に、肺がんは男女ともに最も多く、世界全体の肺がんによる死亡数の約11%を占めています。
- 近年、大腸癌や前立腺癌などの罹患率も増加傾向にあります。
男性
- 上位5部位:
- 口腔癌 (約2.8万/10万人)
- 肺がん (約2.4万/10万人)
- 食道癌 (約1.8万/10万人)
- 胃がん (約1.5万/10万人)
- 前立腺癌 (約1.1万/10万人)
女性
- 上位5部位:
- 乳がん (約2.1万/10万人)
- 子宮頸癌 (約1.3万/10万人)
- 卵巣癌 (約0.7万/10万人)
- 肺がん (約0.6万/10万人)
- 大腸癌 (約0.5万/10万人)
日本とインドの違い(罹患率)
日本: 約100万人/年 (男性: 約53万人、女性: 約47万人)
インド: 約192万人/年 (男性: 約110万人、女性: 約82万人)
日本とインドのガンのん原因の違い
日本:
- 喫煙
- 高齢化
- 食生活の変化 (脂肪摂取量増加、野菜・果物摂取量減少)
- 大気汚染
- 慢性感染症 (B型肝炎ウイルス感染症、C型肝炎ウイルス感染症)
インド:
- 喫煙
- 大気汚染
- 不健康な食生活 (粗食、加工食品の摂取)
- 運動不足
- 性感染症 (ヒトパピローマウイルス感染症)
1-2. 高い死亡率
男性
- 上位5部位:
- 肺がん (約2.2万/10万人)
- 口腔癌 (約1.8万/10万人)
- 食道癌 (約1.3万/10万人)
- 胃がん (約1.1万/10万人)
- 前立腺癌 (約0.8万/10万人)
女性
- 上位5部位:
- 乳がん (約1.1万/10万人)
- 子宮頸癌 (約0.8万/10万人)
- 卵巣癌 (約0.4万/10万人)
- 肺がん (約0.3万/10万人)
- 大腸癌 (約0.3万/10万人)
日本とインドの違い)(死亡率)
日本: 約30万人/年 (男性: 約18万人、女性: 約12万人)
インド: 約106万人/年 (男性: 約64万人、女性: 約42万人)
2. 地域格差
- インドでは、都市部と農村部でがんの罹患率と死亡率に大きな差があります。
- 都市部の方が、生活習慣が欧米化しているため、肺がん、大腸癌、乳がんなどの罹患率が高い傾向があります。
- 農村部の方が、伝統的な生活習慣が続いているため、口唇癌、食道癌、胃がんなどの罹患率が高い傾向があります。
3. 予防と早期発見
- 喫煙、大気汚染が深刻、不健康な食生活、運動不足などの生活習慣が、インドのがん罹患率の高さの一因と考えられています。
- 口腔癌や子宮頸癌は、性感染症が蔓延している、ウイルス感染が原因と考えられています。
- 早期発見・早期治療が、がんの死亡率を下げるためには重要ですが、インドではまだ十分に行われていません。
- これは、医療へのアクセスが限られている地域が多いこと、がんに対する知識不足などが原因と考えられています。
4. 治療へのアクセス
- 近年、インドでもがん治療の進歩が目覚ましく、手術、放射線治療、化学療法、分子標的薬療法などの最新の治療法が導入されています。
(インドは薬を製造する工場もかなり増えてきています。) - インドでのがん治療は高額な治療費であり、多くの患者にとって大きな負担となっています。
- インド政府は、医療保険制度の拡充や、低所得者向けの医療費支援制度の導入など、がん患者の治療へのアクセス改善に向けた取り組みを中国と同様に進めています。
日本:
- 国民皆保険制度により、比較的低額で医療を受けられる。
- 高額療養費制度などの制度により、がん患者の経済的な負担を軽減する取り組みが進められている。
- 最新のがん治療法が導入されている医療機関が多い。
インド:
- 医療費が高額で、多くの患者にとって大きな負担となっている。
- 医療保険制度が普及していないため、治療を受けられない人も多い。
- 最新のがん治療法が導入されている医療機関が少ない。
5. 政府の対策
- インド政府は、国家がん対策計画を策定し、がんの予防、早期発見、治療、研究への取り組みを強化しています。
- 具体的には、禁煙キャンペーン、大気汚染対策、健康的な食生活の推進、がん検診の普及(早期発見)、医療従事者の育成、がん研究への投資などを進めています。
まとめ
前回は中国で今回はインドという、世界的に人口の多い国を2つ調べてまとめてみました。
この2つの国を調べて気づいたことがあります。
現在、発展を遂げている最中の国は、大気汚染の関係で「肺がん」が多いということです。
また中国もインドも日本のような健康保険制度がそこまで整備されていないためか、治療費が高額になるということです。
インドに関しては、早期発見・早期治療への取りくみがまだまだ難しいようです。
また機会があれば、他の国も調べてみます!