日本での子宮頸がんワクチンの普及率

あなたは、今までに子宮頸がんワクチンを接種しましたか?
日本での子宮頸がんワクチンの定期接種は、2010年から開始されました。
しかし、ワクチンの副反応に関する報道などが影響し、接種率は長い間低迷していました。

厚生労働省の調査によると、2019年度の対象者のうち、1回目の接種率は3.3%2回目の接種率は2.6%3回目の接種率は1.9%にとどまっていたようです。

しかし、2020年4月から積極的勧奨が再開され、2022年4月には9価ワクチンも定期接種に導入されました。その結果、接種率は徐々に上昇してきています。
2022年度の対象者のうち、1回目の接種率は15.9%2回目の接種率は11.6%3回目の接種率は7.1%となっています。

今回は、最近始まったばかりの子宮頸がんワクチンについてみていきましょう。

目次

子宮頸がんワクチンとは?

子宮頸がんワクチンは、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染を予防し、子宮頸がんの発症リスクを低減するワクチンのことです。

1. HPVと子宮頸がん

HPVは、ウイルスの種類によって「低リスク型」と「高リスク型」に分類されます。

  • 低リスク型HPV: イボやコンジローマなどの良性病変を引き起こします。
  • 高リスク型HPV: 16型、18型、31型、33型、45型、52型、58型などがあり、子宮頸がんの発症リスクを高めます。

子宮頸がんのほとんどは、高リスク型HPVの持続感染によって発症すると考えられています。

2. 子宮頸がんワクチンの種類

日本国内では、以下の3種類のHPVワクチンが承認されています。

  • 2価ワクチン(サーバリックス): 16型と18型のHPV感染を予防します。
  • 4価ワクチン(ガーダシル): 16型、18型、31型、6型 のHPV感染を予防します。
  • 9価ワクチン(シルガード9): 16型、18型、31型、33型、45型、52型、58型、6型、11型のHPV感染を予防します。

9価ワクチンは、2価ワクチンや4価ワクチンよりも多くの型 のHPV感染を予防することができます。

3. 子宮頸がんワクチンの対象者

子宮頸がんワクチンは、以下の対象者に定期接種が推奨されています。

  • 小学6年生から高校1年生相当の女子: 2価ワクチン、4価ワクチン、9価ワクチンいずれも選択可能
  • 16歳から26歳までの女性: 9価ワクチンのみ

対象者は、公費で接種を受けることができます。

4. 子宮頸がんワクチンの接種方法

子宮頸がんワクチンは、筋肉注射で接種されます。

定期接種の場合は、通常3回接種する必要があります。1回目と2回目の接種の間隔は4ヶ月、2回目と3回目の接種の間隔は6ヶ月です。

5. 子宮頸がんワクチンの効果

子宮頸がんワクチンは、高リスク型HPV感染を予防することで、子宮頸がんの発症リスクを低減することが示されています。

臨床試験の結果、2価ワクチンと4価ワクチンは、16型と18型のHPVによる子宮頸がんの発症を約70%、4価ワクチンは31型、6型による子宮頸がんの発症を約90%予防することが示されています。

9価ワクチンは、臨床試験の結果、16型、18型、31型、33型、45型、52型、58型による子宮頸がんの発症を約90%予防することが示されています。

都道府県別接種率

接種率は、都道府県によって差があります。
2022年度の1回目接種率の都道府県別ランキングは以下の通りです。

1位:福井県(31.5%)
2位:石川県(29.2%)
3位:富山県(28.7%)
4位:長野県(27.8%)
5位:新潟県(27.5%)

一方、接種率が低い都道府県は以下の通りです。

42位:東京都(8.7%)
43位:大阪府(7.8%)
44位:沖縄県(7.6%)
45位:神奈川県(7.4%)
46位:北海道(7.1%)

この結果から感じることは、東北地方の接種率が高いということです。
都会だから接種率が高いということではありません。

年齢層別接種率

接種率は、年齢層によっても差があります。2022年度の1回目接種率の年齢層別割合は以下の通りです。

13歳:20.3%
14歳:23.2%
15歳:22.8%
16歳:19.5%
17歳:16.9%

このように、13歳から15歳までの年齢層で接種率が高く、年齢が上がるにつれて接種率が低くなっています。

この数字だけ見ると、20%ほどの人が接種しているように思いますが、海外と比べてかなり低いことをお伝えします。
※この年齢だけを特定すると20%ほどの接種率になりますが、女性の対象から見ると接種率は約1%になります。
つまり2010年以前の人の接種がほぼない状態であるからと言えます。

海外での子宮頸がんワクチン普及率

2021年のHPVワクチンを接種した女子の割合

アメリカ 61%
カナダ 87%
イギリス 83%
イタリア 32%
ドイツ 47%
フランス 37%
オーストラリア 82%
韓国72%(2022年)

諸外国の割合を見ても国よって大きな開きがあるように思います。
まだ国によって副作用へのが異なるのかもしれません。

子宮頸がんワクチンの副反応

子宮頸がんワクチンは、比較的安全性の高いワクチンですが、副反応が起こる可能性があります。

主な副反応は以下の通りです。

  • 注射部位の痛み、赤み、腫れ
  • 頭痛
  • 倦怠感
  • 筋肉痛
  • 発熱

副反応は、通常軽度で一時的なものです。

希に重い症状の報告もあります。

アナフィラキシー
呼吸困難、じんましん、などの思いアレルギー

ギラン・バレー症候群
両手・両足の力の入りにくさなどを症状とする末梢神経の病気

急性散在性脳脊髄炎(ADEM)
頭痛、嘔吐。意識の低下などを症状とする脳などの神経病気

複合性局所疼痛症候群(CRPS)
外傷をきっかけkとして慢性の痛みを生ずる原因不明の病気

※これらのようにとても重たい副反応が起きるケースが希にあります。日本ではこの症状のニュースがあり普及していない事実があります。
副反応に関しては、自分でしっかり調べる、親が代わりにしっかり調べてから接種を受けるべきかどうか考えるようにしましょう。

まとめ

日本での接種率は約1%とも言われる子宮頸がんワクチン。
各国と比べても圧倒的に低いのには、対象年齢をもつ親世代の不安をニュースが煽ってしまったことも一つの要因にあります。
しかし、副反応を見ると我が子に打たせたいかというと正直とても迷うところです。
今回私が自分で調べた結果で私ならこうするということが決まりました。
かなり調べてからの決断ですので、皆さんも周りに流されず自分でしっかり正しい情報を精査して決めましょう!

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