あなたやあなたの身内ががんになり仕事を辞め治療に専念した後、復帰できる状態になった際に就職を支援してもらえるような場所はあるのででしょうか?
私自身もまだ仕事をしなければ家族を養っていく自信はありません。
がんになり、治療に専念するために仕事を辞め、収入もなくなりその後の再復帰が難しけば、仕事をやめると決断もなかなかできないでしょう。
その間にがんも進行してしまうと、何をやっているのかわからなくなります。
今回は、仕事を辞めて治療に専念し復帰できる状態になった人がどうやって、再就職を探すのか?これに関して調べてみました。
就職サポートについて
厚生労働省のHPには、長期療養者就職支援事業(がん患者等就職支援対策事業)という雇用・労働に関するページにて、支援に関して書かれています。
(厚生労働省は、長期療養者への就職支援を行っているようです。)
支援内容は、ハローワークにて専門の相談員を配置して対応しているとのことです。
(専門の相談員は、全国すべてのハローワークに配置されているようではないので、ご自身のお住まいの地域の近くで相談員がいる場所を探してみましょう。)
こちらが対応しているハローワークの一覧です。
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001260191.pdf(引用元:厚生労働省)
しかし、この制度を利用して就職した方は、わずか約5,100人。。。。
少ないです。
毎年、日本でがんになる人の数は、約100万人です。
その中には仕事を辞めずそのまま続けらている人も多くいらっしゃいますが、それでもこの数字はかなり少なすぎると感じました。
そもそもこの支援サービス自体が認知されていない(私も今日初めて知りました)可能性が高いです。
国も日本の国民病とも言われる「ガン」についてもっと力を入れる必要があるのではないのかと思いました。
この状況であれば、がんを患ったとしても仕事を辞めれず、がんも進行してしまい結果長生きできないという負の連鎖につながるのではないでしょうか。
法律はどうなっている?
法律上では、あなたががんを罹患したからといって自ら仕事を辞める必要はないのです。
平成28年12月のがん対策基本法 改正では、「事業者はがんに罹患した労働者の雇用継続に努めなければならない」こと が明記され、がんに罹患した従業員の就労支援が企業の努力義務と定められました。
実際に、治療を受けながら働いている人は年々増加しています。
早期発見・早期治療により、体へ負荷の少ない治療によりがんと共に生活し働くことも可能な人が増えていっています。
※もちろん体力的に辛く、仕事が継続できなくなり辞めてしまう人も多くいます。
治療と仕事のリアルな問題
がんを罹患した人が仕事との両立で抱える問題についてです。
「経済的な問題」、仕事ができず、高い治療費を払えるのかという問題
「相談先の問題」、仕事と治療を両立させたいが、どこに相談すれば良いかわからない。
「職場の理解が得られない」、職場や上司の理解が得られず会社を辞めざる負えない状況
「働き方に関する問題」、カラダの状態と相談しながら無理のない程度で働きたいと思っている
みなさんの抱える問題が、とても多いことがわかります。
その他、仕事と治療を行う上で多くの方が思う例を挙げます。
- 治療費が高い、いつ頃に治療費が必要かわからない、いくらくらいトータルでかかるのかわからない
- 体調や治療の状況に合わせた柔軟な勤務ができない(勤務時間、勤務日数、勤務場所、、)
- 治療をしながらの場合、人事の評価が下がるのではないかという不安
- 治療の副作用や抗がん剤の副作用により通勤が困難
- 病気のことや治療に関することを職場の人に話にくい
- 治療しながらの仕事に関して、職場内の理解が乏しい
- 働き方を変えることで収入が減る
- 仕事と治療を両立したいが相談できる場所がない、もしくは知らない
- 有給休暇が不足し、治療を行いたいが休暇が取れない、、、、
などみなさん多くの問題を抱えています。
企業にとっても大事な人材を失う
最近は、少子高齢化の影響もあり会社の定年も伸びてきたため、がんに罹患する従業員も増えてきました。
今後は、この数がより一層増えていくため企業としては早めの対策をしておくことが良いと考えられています。
企業にとって、ノウハウ・経験がある社員を失いたいとは思わないはずです。
そういった社員がガンにより離職してしまうことは、企業にとってはとても大きなダメージなはずです。
日本企業のほとんどが中小企業で替えのきかない人も多いでしょう。
そういった中小企業だからこそ先に考えておく必要があるのかもしれませんね。
まとめ
今回、私ががんに罹患し仕事を続けたいと思った際に、今の日本の制度や会社の制度がいかに難しいのかということを知った良い機会になりました。
がんになる前にこういった情報は、調べておきいろ色な準備が必要であることが再確認できました。