男性の部位別がん死亡数に驚きの結果

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日本男性の部位別がん死亡数

厚生労働省の「がん統計2022」のデータによると、2022年の日本における男性のがんで死亡した人数は223,291人でした。
部位別の死亡数は以下にまとめてみました。

最新データ(2022年)

部位別死亡数

  1. 肺がん:50,645人(22.7%
  2. 大腸がん:29,108人(13.1%)
  3. 胃がん:26,154人(11.7%)
  4. 膵臓がん:20,504人(9.2%)
  5. 肝臓がん:12,101人(5.4%)
  6. 前立腺がん:11,172人(5.0%)
  7. 食道がん:9,455人(4.3%)
  8. 膀胱がん:7,767人(3.5%)
  9. 白血病:6,989人(3.1%)
  10. 脳腫瘍:6,817人(3.1%)

年齢層別死亡率

上記のデータは部位別ですが、次にご紹介するデータは年齢層別のがんで死亡する確率(死亡率)になります。
厚生労働省の「がん罹患・死亡予測モデル」をまとめてみました。
2022年の男性のがんで死亡する確率(年齢10万人あたり死亡数)は以下の通りです。

  • 40歳代肺がんが最も多く、次いで胃がん、大腸がん、食道がん、肝臓がんが続きます。
  • 50歳代肺がんが最も多く、次いで大腸がん、胃がん、前立腺がん、膵臓がんが続きます。
  • 60歳代肺がんが最も多く、次いで大腸がん、前立腺がん、胃がん、膵臓がんが続きます。
  • 70歳代以上肺がんが最も多く、次いで大腸がん、前立腺がん、胃がん、食道がんが続きます。

    ※男性の40代以上の死亡率は、どの世代を見ても『肺がん』が1番になっています。

1975年と2020年の比較

下にデータをまとめてみましたので、1975年のデータと2022年のデータを比べてみましょう。
約50年の年数でどの部位が増加してどの部位が減少しているのかは、表を見ると一目瞭然ですね!

順位1975年2022年
1位胃がん肺がん
2位肺がん 大腸がん
3位食道がん胃がん
4位肝臓がん膵臓がん
5位脳腫瘍 肝臓がん
6位 膀胱がん前立腺がん
7位白血病 白血病
8位前立腺がん脳腫瘍
9位大腸がん食道がん
10位リンパ腫膀胱がん

50年における主な変化の理由

この約50年間の間にどのような変化があったのかを見ていきましょう。

  • 肺がんが1位に躍り出た:喫煙の普及や大気汚染の影響により、肺がんの死亡率が大幅に増加しました。
  • 胃がんの死亡率が低下:胃酸分泌抑制剤の普及や除菌療法の発展により、胃がんの死亡率が低下しました。
  • 前立腺がんが上位にランクイン:高齢化や検出技術の進歩により、前立腺がんの死亡率が上昇しました。
  • 大腸がんの死亡率が上昇:食生活の欧米化や肥満化の影響により、大腸がんの死亡率が上昇しました。

この50年間を見ていくと、すべての部位で増加したわけではなくある部位では医療の発展により減少させれているというのも見受けられるでしょう。
ただし残念な結果としては、全体的な数はどんどん増加してるということです。

高度経済成長のあたりから喫煙による影響と大気汚染による『肺がん』が増えてきたのは、日本としては今後国として何かしらの対策をうっていく必要もあるのかもしれません。
個人で予防できる範囲はもちろんありますので、各々でできることはやっていきたいものです。

アメリカ男性の部位別死亡数(2020年)

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)のデータに掲載されていたものです。
2020年のアメリカにおける男性のがんで死亡した人数は、約30万人です。部位別死亡数は以下の通りです。

  1. 肺がん:74,588人(24.8%)
  2. 前立腺がん:32,783人(10.9%)
  3. 大腸がん:30,353人(10.1%)
  4. 膵臓がん:24,542人(8.2%)
  5. リンパ腫:22,085人(7.4%)
  6. 肝臓がん:19,298人(6.4%)
  7. 食道がん:14,556人(4.8%)
  8. 膀胱がん:13,922人(4.6%)
  9. 白血病:12,722人(4.2%)
  10. 脳腫瘍:12,045人(4.0%)

ここでひとつ気づいたことがあります。
アメリカのデータでは、日本では比較的多いはずの『胃がん』がランキングのTOP10には入っていないということです。
あとはアメリカの人口は約3.3億人(男性は約1億6,500万人)。日本人口の男性は約6,100万人
アメリカの男性の人数は日本の倍以上います。

しかし、がんで死亡する数はアメリカがかなり少なく見えます。
アメリカ約30万人
日本約22万人

この結果だけ見ると日本の割合が高い気がします。

2. 年齢層別死亡率

アメリカでの年齢層別のがんで死亡する確率(死亡率)は下記のようになっています。
CDCのがん統計によると、2020年のアメリカにおける男性のがんで死亡する確率(年齢10万人あたり死亡数)は以下の通りです。

  • 40歳代肺がんが最も多く、次いで大腸がん、前立腺がん、食道がん、肝臓がんが続きます。
  • 50歳代肺がんが最も多く、次いで前立腺がん、大腸がん、膵臓がん、食道がんが続きます。
  • 60歳代肺がんが最も多く、次いで前立腺がん、大腸がん、膵臓がん、リンパ腫が続きます。
  • 70歳代以上肺がんが最も多く、次いで前立腺がん、大腸がん、膵臓がん、食道がんが続きます。

3. 死亡率の推移

アメリカ男性のがん死亡率は日本とは異なり全体として減少傾向にあります。

  • 減少している部位
    • 前立腺がん:早期発見と治療法の進歩により、死亡率が大幅に減少している
    • 胃がんピロリ菌除菌療法などの普及により、死亡率が減少している
  • 増加している部位
    • 膵臓がん:早期発見が難しく、死亡率も高止まりしている
    • 肝臓がん:C型肝炎ウイルス感染症の増加などが原因で、死亡率が上昇している

4. 人種・民族の差

アメリカでは、人種・民族によってがんの罹患率と死亡率に差があります。

  • 黒人男性は、白人男性に比べて肺がん、前立腺がん、膵臓がんで死亡する確率が高くなっているようです。
  • ヒスパニック系男性は、白人男性に比べて胃がん、肝臓がん、子宮頸がんで死亡する確率が高くなっています。
  • アジア系男性は、白人男性に比べて肺がん、胃がん、肝臓がんで死亡する確率が高くなっています。
    人種によっても異なるようですが、アジア系は胃がんになりやすいのかもしれません。

まとめ
最後まで興味を持ってお読みいただきありがとうございます。
日本人男性とアメリカ人男性の違いがあり、その違いが人種による体質の問題なのか、治療方法による違いなのか、時間のある際にまとめてみようと思います。

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