実は、たまにニュースで聞く白血病は「がん」の一種です

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白血病について詳しく見てみる

白血病とは、いったい何か? 答えは、「血液のがん」です。
血液は、赤血球、白血球、血小板の3種類の細胞と、これらの細胞が浮遊する液体である血漿から構成されています。
白血病は、骨髄(こつずい)で作られる造血幹細胞が異常増殖し、白血病細胞になることで起こります。

白血病の種類

白血病は、白血病細胞の「がん化の仕方」や「進行速度」によって、大きく2種類に分けられます。

  • 急性白血病:白血病細胞が急速に増殖し、正常な血液細胞を駆逐してしまう病気です。
    できるだけ早く治療を開始しないと、命に関わる可能性があります。
    ※急性白血病は、小児期に多く発症しますが、大人も発症します。
  • 慢性白血病白血病細胞ゆっくりと増殖し、正常な血液細胞の機能を徐々に低下させていく病気です。
    急性白血病に比べて進行はゆっくりですが、治療を受けないと白血病細胞がさらに増殖して急性白血病に移行する可能性が高まります。
    →慢性白血病は、大人が多く発症します。

白血病の症状

白血病の症状は、
白血病の種類」、「進行度」、「患者の全身状態」によって異なります。
症状を以下にまとめてみました。

 貧血による症状

  • 疲れやすい
  • 顔色が悪い
  • めまい
  • 息切れ
  • 頭痛


    感染症による症状
  • 発熱
  • 風邪
  • 口内炎
  • 皮膚感染症


    出血症状
  • 歯肉出血
  • 鼻出血
  • 皮下出血
  • 血便

 その他の症状

  • 肝臓や脾臓の腫大
  • リンパ節の腫大
  • 骨痛

白血病の原因

白血病の正確な原因は分かっていませんが、
遺伝的要因、環境的な要因、生活習慣などが複雑に絡み合って発症すると考えられています。

  • 遺伝的な要因:ダウン症候群などの染色体異常、特定の遺伝子変異を持っている人は、白血病を発症するリスクが高くなります。
  • 環境な要因:放射線曝露、化学物質への曝露、特定の感染症(EBウイルス感染症など)などが、白血病のリスクを高める可能性があります。
  • 生活習慣:喫煙は、急性骨髄性白血病のリスクを高めることが分かっています。できれば吸わない方が良いでしょう。

白血病の治療

白血病の治療法は、
白血病の「種類」、「進行度」、「患者さんの全身状態」などによって異なりますが、
主な治療法としては、以下のものが挙げられます。

  • 化学療法 → 抗がん剤を使って、白血病細胞を殺す薬物療法
  • 放射線治療 → 高エネルギーの放射線を使って、白血病細胞を殺す治療
  • 骨髄移植 → 白血病細胞が正常な骨髄細胞に置き換えられるように、ドナーから骨髄を移植する治療


    医療体制・治療方法
  • 白血病を患った後は、医療体制によって大きく左右されます。
  • 先進国では、最新の治療法を受けられる機会が多く、生存率も高くなります。
  • 一方、発展途上国では、医療体制が整っていないため、適切な治療を受けられない患者が多く、生存率が低い場合があります。
    治療法の選択肢や有効性は、国や地域によって異なる場合があります。

白血病を患ったあと

白血病を患ったあとは、「白血病の種類」、「進行度」、「治療法」などによって大きく異なりますが、
現代の治療技術の進歩により、多くの症例で治癒が期待できるようになっています。

白血病の発症年齢と男女差

白血病は、全年齢層で発症する可能性がありますが、こども高齢者に多く発症します。

  • 小児期:特に急性リンパ性白血病は、小児期に最も多く発症する白血病です。
  • 高齢者:特に慢性骨髄性白血病は、高齢者に多く発症する白血病です。

男女差については、白血病の種類によって異なります。

  • 急性白血病:男女差はあまりありません。
  • 慢性白血病男性の方が女性よりもやや発症率が高いと言われています。

日本人と外国人の白血病における違い

白血病は、
血液のがんであり日本人だけでなく世界中の人々に影響を与えます。
日本人と外国人の白血病発症率、種類、発症後などにいくつかの違いが見られます。

全体的な発症率:

  • 日本人は、世界平均よりも白血病の発症率がやや低いと言われています
  • 2020年のデータによると、日本における白血病の年間新規患者数は約2万人であり、これは人口10万人あたり約20人に相当します。
  • 一方、世界の白血病の年間新規患者数は約300万人に上り、人口10万人あたり約40人に相当します。

    小児白血病:
  • 小児白血病に関しては、日本と欧米では発症率に大きな差はありません。
  • 急性リンパ性白血病は、小児期に最も多く発症する白血病ですが、日本でも欧米でも、小児白血病全体の約75%を占めます。

    成人白血病:
  • 成人白血病に関しては、日本と欧米では発症率に違いが見られます。
  • 特に、慢性骨髄性白血病は、欧米に比べて日本では発症率が低いと言われています
  • 一方、急性骨髄性白血病は、欧米と日本では発症率がほぼ同じです。

    人種:
  • 白血病の発症率や種類、予後には、人種による違いも存在する可能性があります。
  • しかし、現時点では、人種と白血病の関係について十分な研究結果が得られていません。



この記事が少しでも皆さんのお役に立てればと思います。

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