希望の光!免疫療法がすごい!

皆さん、免疫治療という言葉を知っていますか?
あまり聞きなれない言葉かもしれません。
これは今最も注目されているがん治療の方法なのです。
今まで治療方法「手術、放射線治療、化学療法」が今までの日本の3大治療方法でしたが、そこに加わる大4の治療方法して大注目されています。

まだ、メディアでは放送されることが少ないですが、がん治療中であったり、身内にがんがいる人であれば、知っているかもしれません。
今回は、その今大注目されている「免疫治療」についてまとめています。

目次

画期的ながん治療薬①

免疫チェックポイント阻害薬は、最近注目を集めている画期的ながん治療薬です。従来の抗がん剤や放射線治療とは異なり、患者さん自身の免疫システムを活性化することで、がん細胞を攻撃・排除するという、根本的な治療法です。

1. 免疫チェックポイント阻害薬の仕組み

私たちの体内には、本来がん細胞を監視・排除する免疫システムが存在します。しかし、がん細胞は巧妙な方法で免疫システムから逃れ、増殖し続けます。

免疫チェックポイント阻害薬は、がん細胞が免疫システムから逃れるために利用する「免疫チェックポイント」と呼ばれる仕組みを阻害することで、本来の免疫力が抑制されていたがん細胞を攻撃できるようにします。

免疫チェックポイントには、PD-1、PD-L1、CTLA-4などがあります。

  • PD-1/PD-L1経路: がん細胞表面のPD-L1が、T細胞表面のPD-1に結合することで、T細胞の活性化を抑制します。免疫チェックポイント阻害薬はこの結合を阻害し、T細胞の活性化を促進します。
  • CTLA-4経路: T細胞表面のCTLA-4が、抗原提示細胞表面のCD80/CD86に結合することで、T細胞の活性化を抑制します。免疫チェックポイント阻害薬はこの結合を阻害し、T細胞の活性化を促進します。

2. 代表的な免疫チェックポイント阻害薬

  • PD-1阻害薬: ニボルマブ、ペムブロリズマブ、テシトリマブ
  • PD-L1阻害薬: アテゾリズマブ、ドビシリマブ、デュルバルシタブ
  • CTLA-4阻害薬: イピリムマブ

3. 適応となるがん種

免疫チェックポイント阻害薬は、様々な種類のがんに対して効果が期待できます。

主な適応となるがん種

  • 悪性黒色腫
  • 膀胱がん
  • ホジキンリンパ腫
  • 胃がん
  • 食道がん
  • 肝胆がん
  • 肺がん
  • 腎臓がん
  • 頭頸部がん

など幅広いがんに対応しています。

4. 効果と副作用

免疫チェックポイント阻害薬は、従来の治療法では治療が困難であった進行がんや転移性がんに対しても、高い治療効果があると言われています。

主な効果

  • 腫瘍縮小
  • 病勢進行抑制
  • 長期生存

主な副作用

  • 免疫関連有害事象(irAE):皮膚障害、消化器症状、肺機能障害など
  • 重症化することがあり、注意が必要

5. 課題と今後の展望

免疫チェックポイント阻害薬は、画期的な治療法ですが、万能の治療法ではありません。すべての患者さんに効果があるわけではなく、副作用も少なくありません。

主な課題

  • すべての患者さんに効果があるわけではない
  • 高額な治療費がかかる
  • 重篤な副作用の可能性がある

画期的ながん治療法②

CAR-T細胞療法は、最近注目を集めている画期的ながん治療法です。患者さん自身のT細胞を体外に取り出し、遺伝子操作でがん細胞を特異的に認識・攻撃できる「CAR(Chimeric Antigen Receptor)」と呼ばれる遺伝子を導入します。導入されたCAR-T細胞を患者さんに投与することで、体内で増殖し、がん細胞を攻撃します。

1. CAR-T細胞療法の仕組み

1) T細胞の採取

患者さん自身の血液からT細胞を採取します。

2) 遺伝子操作

採取したT細胞に、CAR遺伝子を導入します。CAR遺伝子は、がん細胞表面の特異的な抗原を認識し、T細胞を活性化するように設計されています。

3) CAR-T細胞の増殖

遺伝子操作されたT細胞を培養し、増殖させます。

4) 投与

培養・増殖させたCAR-T細胞を患者さんに投与します。

2. 対象となるがん種

CAR-T細胞療法は、主に血液のがん(白血病、悪性リンパ腫など)に対して有効性が認められています。

主な対象となるがん種

  • 急性リンパ性白血病(ALL)
  • 多発性骨髄腫
  • 悪性リンパ腫

3. 効果と副作用

CAR-T細胞療法は、従来の治療法では治療が困難であった進行がんや再発がんに対しても、高い治療効果が期待されています。

主な効果

  • 寛解導入
  • 生存期間延長

主な副作用

  • サイトカイン放出症候群(CRS):発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、低血圧など
  • 神経毒性:意識障害、けいれん、失語症など

4. 課題と今後の展望

CAR-T細胞療法は、画期的な治療法ですが、万能の治療法ではありません。すべての患者さんに効果があるわけではなく、高額な治療費がかかるなどの課題もあります。

主な課題

  • すべての患者さんに効果があるわけではない
  • 高額な治療費がかかる
  • 重篤な副作用の可能性がある

画期的な治療法③

腫瘍ワクチンは、この方法も最近注目を集めている画期的ながん免疫療法の一種です。従来の抗がん剤や放射線治療とは異なり、患者さん自身の免疫システムを活性化することで、がん細胞を攻撃・排除するという、根本的な治療法です。

1. 腫瘍ワクチンの仕組み

腫瘍ワクチンには、大きく分けて2種類あります。

1) 全身型腫瘍ワクチン

  • 患者さん自身の腫瘍細胞やがん抗原をワクチンとして投与することで、免疫システムのがん細胞を認識・攻撃する能力を強化します。
  • 従来のワクチンと異なり、予防ではなく、治療目的で使用されます。
  • 対象となるがん:様々ながん種に適用可能ですが、効果は限定的

2) 樹状細胞ワクチン

  • 患者さん自身の樹状細胞(免疫細胞の一種)を体外に取り出し、がん抗原を提示するように加工してから、体内に戻します。
  • 樹状細胞は、T細胞などの免疫細胞を活性化し、がん細胞を攻撃するように促します。
  • 対象となるがん:メラノーマ、腎臓がん、大腸がん、肺がん、頭頸部がん

2. 腫瘍ワクチンの効果と期待される作用

腫瘍ワクチンの効果は、まだ完全には解明されていませんが、以下のような作用が期待されています。

  • 免疫システムのがん細胞を認識・攻撃する能力を強化する
  • 腫瘍縮小や進行抑制
  • 長期生存率の向上

しかし、万能の治療法ではありません。すべての患者さんに効果があるわけではなく、効果が現れるまでに時間がかかる場合もあります。

3. 腫瘍ワクチンの課題と今後の展望

腫瘍ワクチンは、画期的な治療法ですが、まだ多くの課題があります。

主な課題

  • 効果が限定的である
  • 効果が現れるまでに時間がかかる
  • 副作用の可能性がある
  • 高額な治療費がかかる

まとめ

上記の免疫療法は一部となります。他にもいくつかの免疫療法が開発されてきています。
現状、免疫療法は開発がどんどん進んでいる段階ではあるため、今後何種類かの効果の高い治療法であったり、根治が目指せるものも出てくる可能性が多いにあります。
今回だけではまとめきれませんでしたので、次回も免疫療法の続きにしたいと思います。

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